今もなお、感染の拡がりを続ける新型コロナウイルスですが、治療薬がない現状では、自分の免疫力を高め、コロナウイルスに負けない身体づくりをすることが大切です。では、私たちの体はどのようにして免疫システムが働いているのでしょうか。
まず免疫は、「粘膜免疫」と「全身免疫」に分かれます。
「粘膜免疫」は、主に鼻や口、腸管などの粘膜に存在しているもので、ウイルスや細菌の侵入を防いでいます。
空気中に漂うウイルスが喉や鼻の粘膜に付着した場合は、粘膜に存在しているIgA抗体という免疫物質が病原体とくっついて、病原体を無力化してくれます。そのため、粘膜を丈夫にしておき、バリア機能を高め、IgA抗体が十分に働ける状態にしておくことが大切です。
粘膜を構成する材料が不足すると、粘膜が乾燥して傷つき、ウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなります。そのため粘膜の働きを保持するビタミンA(緑黄色野菜)や免疫細胞(IgA抗体など)の材料となるたんぱく質(魚や肉、卵、大豆など)を充分に補完することが大切です。
そして、粘膜免疫の中で最大の免疫組織が、小腸の腸管です。
身体の約7割の免疫細胞が存在しています。
この腸管は腸管上皮細胞の表面に存在していますが、上皮細胞が壁のように隙間なく並んでおり、異物が体内に入るのを防いでいます。この上皮細胞からは、「抗菌ペプチド」であるディフェンシンやカテリシジンを分泌し、ウイルスや細菌をやっつけますが、この抗菌ペプチドの産生にはビタミンD(きくらげ・干しシイタケ)の量に依存すると言われています。
それでも病原菌が突破して、体内に入った場合は、腸管上皮細胞が免疫担当の細胞へ伝達をします。(=全身免疫)
すると、白血球の「好中球」や「マクロファージ」が病原菌を食べてくれたり、NK細胞が攻撃をしてくれます。また、インターフェロンがマクロファージなどの働きを刺激しますが、このインターフェロン量はビタミンC量にも依存するため、ビタミンC(キャベツ・レモンなど)を摂取することが大切です。
ここに書いたのは身体の一部の働きですが、このように、私たちの体はウイルスや細菌と戦えるようにいつでも待機しています。しかし、病原菌と戦う免疫細胞の材料が不足していたり、体内で戦闘モードになるためのスイッチが働かないことには病原菌に負けてしまいます。
「〇〇を食べていればOK!」というものはありませんが、しっかりと食べ物や生活を整えることで体は変わります。
今この機会に、自分の身体がどのような状態なのかを知り、未病の段階で身体を整えていくことが、将来の健康にも繋がります。
当院で実施している 毛髪検査 は、一人一人の状態に併せて行い、潜在的な体の不調も数値化して表すことが出来る検査です。また栄養の過不足やストレスの度合い、免疫力などをチェックする事が可能です。
郵送でも検査を受けることが出来るため、気軽に出来る健康チェックにもおすすめです。
自宅にいる時間が長い今、ご自身の身体を一度見直し、少しでも健康な体を作っていきましょう。
ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
参考文献
http://www.vic-japan.gr.jp/info_for_prof/vit.d/vitamin-influenza200910.pdf
https://www.otsuka.co.jp/b240/