今回のブログは臨床例(不安神経症)をご紹介します。
臨床例
男性・27歳(初診時)
<主訴>
常に不安感が強く、上司から業務内容において怒られると外へ逃げ出したくなるような感覚に襲われ、来院。
記憶力や意欲の減退を感じる他、倦怠感や疲労感が抜けず、肩こりや頭痛も強い。
会議時などにおいて、話の内容を忘れてしまったり、顧客との会話が頭に残らなくなる。
上司に指摘され、病院に行き、MRI検査などを行うが特に異常が無かった。
<内服>
無し
<治療方針>
毛髪検査を行い、症状や栄養素の状態を把握する。
毛髪検査結果に基づき、食事改善やサプリメント摂取を行う。
仕事が多忙であり、自炊などが難しい為、食事改善においては出来る範囲で行う。
身体の疲労度合いを自分で把握して、仕事と体調のコントロールを始める。
<食事内容>
初診時
朝:無し
昼:社食の唐揚げ定食・カレー・パスタなど
夜:帰宅途中でラーメン・鉄火丼・牛丼など
疲れている場合は、デザートのみ
飲料:コーヒー(3杯以上)
初回の食事指導の内容
・なるべく和定食を選ぶ
・疲労が強い時や帰宅が遅い時は、消化のしやすい食材を選ぶ
・揚げ物や冷たい物は控える
1カ月後
朝:時間がなく、朝ごはんはあまり食べない。
昼:社食の魚定食・そば・野菜多めのサラダ定食
夜:和定食(外食)、時間があるときは自宅で魚や肉を焼いた。
仕事が遅くなり、帰宅が12時を過ぎてしまった場合などは、サラダやスープ類などの消化に負担が掛からない物にした。
<サプリメント処方>
・マルチビタミン
・オメガ3
・Kリゾレシチン
・ビタミンB群
・乳酸菌生産物質
(初回処方以外も含む)
<体調の変化>
2カ月後
不安感も少し軽減するが、まだ上司に怒られると腹痛を生じる。
体の深い部分にあった、重さが少し軽くなった。初診時は、15分ほど経つとこちらの話が頭に入らないと言っていたが、集中力がついてきたとのこと。
以前より考えごとをする際、頭が動くようになり、パソコン作業もスムーズになった。
以前は帰宅後にすぐ寝てしまったが、週に何回か自炊をしたり、入浴が出来るようになってきた。
6カ月後
顔色は明るくなり、来院時の不調も大きく軽減。
全般的には落ち着いているが、仕事が忙しくなり、残業やストレスが多いと疲労感が強くなり、睡眠時は夢を見る。
コーヒーは変わらず3杯以上飲んでいる。
「仕事の忙さや季節の変わり目で体調が悪くなりやすいが、どうすれば良いか分かる様になった」と、仰る。
時間がない時の食事の選び方を見直す。
1年後
引っ越しをするなどの生活の変化もあったが、多忙な時期でも無事乗り切る。
初診時にあった不調はほぼ消え、全体的に調子は良好。仕事の状況によって、口内炎や倦怠感はでるが、睡眠時間を調整されたり、サプリメントを活用したりして工夫している。
自分の身体の特徴を捉え、「体調と生活をコントロールできるようになった」と仰る。
担当カウンセラーの言葉
初めのうちは、自分の体調を把握するのが難しい様子でしたが、半年を過ぎた頃から
自分自身で体調を考えながら食材を選ぶことが出来るようになりました。
多忙時の睡眠状態や疲労のバロメータによって生活をコントロール出来るようになったことで、
さらに回復したと思います。
このように多忙な生活をされていた方でも、選択の一つ一つを変え、出来ることを続けられたことで、症状が改善していく方も多くいらっしゃいます。
その方に併せた食生活の指導を行っておりますので、ご相談ください。
★ナチュラルクリニック代々木★