【摂】第8秘訣 食事でストレス回避(栄養バランス編)
人間の体は約60兆個の細胞群で成り立っています。それぞれの細胞が休むことなく活動し、私たちの体を常に正常な状態に保っています。偏った食事や不摂生な食生活は、細胞に十分な栄養素を送ることができず、ストレスに打ち勝つ細胞力を育てることが困難になります。「医食同源」という言葉がありますが、病気を治療するのも日常の食事をするのも、ともに生命を養い健康を保つために欠くことができないもので、源は同じだという考え方です。要は食べ物にはそれぞれ「薬効」があり、その栄養素を自分の体調と合わせて毎日の食事に取り入れていくことが大切なのです。現代は、好きな食べ物を好きなだけ食べられる飽食の時代ですが、自分が1日にどのような栄養素を、どの位摂取しているのかということに関心を持ち、自分の体調と合わせて、自主的に管理していかなければ、健康を維持していくことは困難です。ストレスに負けない体を維持していくためには、栄養バランスを考えた食生活も必要不可欠となるでしょう。ストレスや疲労回復に効果があるといわれる食材群をいくつかご紹介しますので、日々の食事に適宜取り入れながら食物の持つ栄養素を利用して、ストレスに打ち勝つ細胞力をつけましょう。
【豆類】
■小豆…………食物繊維やカリウムが豊富で、コレステロールや塩分を体外に放出させる作用があります。またビタミンB1が多く含まれ、だるさや疲労回復を解消する作用があります。
■大豆…………良質なたんぱく質を含む大豆は、「畑の肉」と称されてきました。大豆には必須アミノ酸、リジン、ビタミンEなど、栄養素がバランスよく含まれています。またビタミンB群も豊富に含まれ、新陳代謝を活発にするので、疲労回復や美肌作りに効果を発揮します。またサポニンという成分がコレステロールを分解、血流の改善効果があります。
【野菜類】
■玉ねぎ………玉ねぎ特有の匂いと辛味成分は、二硫化プロピルアリルと硫化アリルを含んでいるため。この硫化アリルはビタミンB1の吸収を高めるので、新陳代謝を活発に促し、疲労回復に役立ちます。
■ニラ…………ニラにも硫化アリルが含まれ、またビタミンA、B、C、カルシウムなども豊富。ニラは生命力の強い植物で、身体を温め、新陳代謝を活発に促します。
■ほうれん草…青葉の中でも特に疲れやすい人にお勧めの栄養素が豊富。鉄分、ビタミン群、ミネラルが含まれています。ほうれん草のアクは、シュウ酸が原因。湯通しした後に水で流すことにより、シュウ酸は取れますのでご心配なく。
■しいたけ……ビタミンDが効率良く摂取できる干しいたけの方がお勧め。ビタミンDはカルシウムを吸収させることから、神経沈着、不眠症にも効果があります。しいたけの胞子には抗ウイルス作用があり、風邪などの予防にも役立ちます。
■梅……………梅のすっぱい成分クエン酸は、疲労物質を分解する効果があります。また二日酔い、乗り物酔いに効果が高い有機酸を含んでいます。
【果物類】
■ビワ…………ビタミンC、カルシウム、カロチン、鉄分が含まれ、疲労回復や美肌効果が高い果物です。ビワは昔から薬として使われ生の実は解熱剤、せき、たんを鎮める作用があります。
■みかん………クエン酸を含み、血行の促進、疲労回復に効果あり。みかんの袋には食物繊維が多く含まれているので、袋ごと食しましょう。
■リンゴ………カリウムを多く含むリンゴは利尿作用を活発にし塩分を排泄する作用があります。リンゴ酸、クエン酸を含み、新陳代謝を促進して疲労回復効果があります。
【魚介類】
■シジミ………シジミに含まれるアミノ酸、ビタミンB12、たんぱく質、鉄分は肝機能低下で起こる黄疸に効果を発揮。血液循環を高めるので、疲労回復、虚弱体質の改善に役立ちます。
■ウナギ………ウナギに多く含まれるビタミンAは、抵抗力を高め、B1は疲労回復に、Eは細胞を若返らせると言われ、夏バテ予防として知られています。
ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュース Vol.14 掲載記事