突然、理由もなく動悸や息切れ、めまい、手足の震え、吐き気や強い不安を伴う症状が繰り返し起こり、生活に支障が生じる状態を「パニック障害」と言います。
パニックの症状は5分から20~30分ほど続き、死を感じるケースもあります。パニック発作は心筋梗塞などの症状と似ていることから、検査を受けられる方もいますが、内科的な異常は見つからず、原因不明の症状に悩まされる方もいます。そのため、発作が繰り返されることで、また発作がおきたらどうしようかと不安感が増し、電車やエレベーターなどの閉鎖された空間へは「逃げられない」恐怖感が強まり、引きこもりになる方もいます。
また発作を繰り返すうちに、予期不安や広場恐怖といった症状が現れるようになり、うつ症状を伴うこともあります。
近年増加傾向にある「パニック障害」は「不安障害」のひとつとされています。(厚生労働省HPより)
「不安障害」とは、精神疾患の中で過剰な不安感や恐怖の特徴を有する症状を主症状とする疾患群をまとめた総称です。原因がPTSD(心的外傷後ストレス障害)や物質によるもの、病気によるものなど様々なものが含まれます。中でもパニック障害は、不安が典型的な形をとって現れている点で、不安障害を代表する疾患といえます。
A 1~13の項目のうち4項目以上に該当する症状があり、10分以内にピークに達する。
2. 息苦しさ、息切れなど、呼吸がしにくくなる 。
3. 息が詰まり、呼吸が出来ずに、窒息する感じがする。
4. 胸の痛みや苦しい感じがして、胸のあたりに圧迫感を感じる 。
5. めまいやふらつき、フワフワした感じなど、気が遠くなる感じがする 。
6. 手足や身体の震えが起こる。
7. 手足や身体が痺れる感じがする。
8. 熱くないのに、急に汗が出る。
9. 急に身体が熱くなる、もしくは冷たく感じる。
10. 吐き気、胃がムカムカするなどの腹部への違和感がある。
11. 自分が自分でないような感覚になり、現実感がない感じがある。
12. 死を感じることがある 。
13. 感情を抑えることが出来ず、自分の意志が働かなくなるのではないかと。
B AとB両方の状態が2回以上あった。
C きっかけが無く、突然、不安に襲われパニック状態になる。
D また発作が起こるのではないかという不安が1カ月以上続く。
E 心臓など身体に病気や原因がない。
次のAからE全てに該当すれば、パニック障害の疑いがあります。
(米国精神医学会の診断基準より)
パニック障害(パニック症)の原因は遺伝や体質、ストレス、生活環境(幼少期の教育や育成環境)などが言われていますが、近年では脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリン、セロトニン、GABAのバランスが崩れた結果、生じるものと考えられています。特に食生活の乱れによる機能性低血糖症や栄養バランスの乱れは、神経伝達物質のバランスを崩す要因となり、先の発症要因に関与し、症状を強める傾向にあります。
ストレスホルモンの一つであり、「不安」「緊張」「恐怖」などの感情や精神面に関与し、危険を察知すると交感神経を優位にして心拍数や血圧を上昇させて覚醒・集中力・判断力を向上させます。
アミノ酸の一種であるトリプトファンから生合成される神経伝達物質の一つで、血管の緊張を調整する物質です。ド-パミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをするほか、生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与します。
抑制系の神経伝達物質の一つで、ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせる働きがあります。また、ドーパミンなど興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑えて、リラックス状態をもたらします。
PRA毛髪検査を用いて、パニック障害の傾向性や栄養素の過不足を調べる。
過剰に分泌されたノルアドレナリンの抑制と、セロトニンの減少を整える。
GABAを補完することにより神経伝達物質のバランスを整える。
K・リゾレシチンを摂取しドーパミン・セロトニン・アセチルコリン・アドレナリンなどの脳内ホルモンの分泌調整と、神経細胞の活性化を図る。
機能性低血糖症の改善。
オイルバランスの調整により、神経伝達物質の生産量を高めることで脳内の情報伝達を活性化させる。
診察では、投薬を中心とした治療に頼らず、患者様一人一人に合った食生活の見直しや、正しいサプリメントの摂取を方法を指導し、根本的な体質改善を行い心身の正常化を目指します。