世界中で利用されている発酵食品。医学が発達していなかった昔、薬や滋養の高い食品として利用され続け、人々の健康を守ってきた食品です。腸内環境を良好にするには、様々な発酵食品を毎日食卓に並べ、少しずつでも摂取を続けることが大切です。
【腸内細菌について】
腸内環境は、腸内細菌である善玉菌と悪玉菌のバランスで決まります。腸内細菌は約500種類以上あり、数にして500~1000兆個、重さにして1.5kg前後と言われています。善玉菌は日本の伝統食である和食を好み、悪玉菌は動物性蛋白を非常に好みます。病気の人は悪玉菌が幅をきかせており、善玉菌が圧倒的に少なくなっています。悪玉菌優勢な腸内環境では、いくら良い栄養素を摂っても、殆ど吸収されずに排出されてしまいます。
【菌の種類と含まれる食品】
乳酸菌…味噌、醤油、キムチ、チーズ(乳製品)、テンぺ、ザーサイ、サワークラフト、シュールストレミング、キビヤック等
麹菌……味噌、醤油、米酢、豆腐よう等
酵母菌…ぬか漬け、パン、魚醤、くさや、しょっつる、いしる、ニョクマム、パゴオン、ナンプラー、パティス、キビヤック
酢酸菌…酢
納豆菌…納豆、臭豆腐
塩麹や醤油麹も発酵調味料です。またかつお節もコウジカビで発酵させた保存食です。この他、アンチョビやいかの塩辛も塩漬け発酵食品です。普段から納豆やぬか漬け、ピクルスなどを常備食として摂取することをお勧めします。
【腸内環境を整えるには】
食生活の改善が重要で、動物性脂質を減らし、食物繊維と発酵食品を摂ることが大切です。発酵食品は微生物が発酵を促している食品のため、腸内細菌の繁殖に非常に有効です。また同時に、善玉菌のエサになる乳酸菌生産物質やオリゴ糖などの摂取も必要です。腸内環境を整えることにより、有効な栄養素を体内へ効率良く摂り入れることができます。
ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュース Vol.9掲載記事