クリニックニュース

2023.02.10更新

 私たちの体は何十兆個もの細胞でできていますが、全てに細胞膜が存在しています。細胞膜は細胞の内部環境を一定に保つために代謝機能を司る重要な役割を担っています。この細胞膜の構造は、脂質二重層という構造を作っています。細胞膜を構成するリン脂質分子(=レシチン)は頭部と尾部がありますが、頭部は水になじむ親水性、尾部は水をはじく疎水性の特長があり、細胞内外の均衡を保っています。

細胞膜

※細胞の内外は主に水で満たされているため、リン脂質分子は頭部を外側に、水に反発する尾部を内側に二重層を作って並ぶ。二重層の両外側は親水性なので、膜全体は細胞内外の環境になじみ、内側には疎水性の脂肪酸が充満しているので細胞の内外をしっかり遮断することができる。

 

 リン脂質分子には種類があり、細胞の外側の膜、内側の膜で構成される分子が違います。

ホスファチジルコリン(PC)…主に細胞の外側の膜を構成する。
ホスファチジルエタノールアミン(PE)…細胞の内側の膜を構成する。
ホスファチジルイノシトール(PI)…     〃
ホスファチジルセリン(PS)…        〃

 レシチン(=リン脂質)を細胞膜の構成栄養素として摂取するためには、PC、PE、PI、PSのバランスが重要です。レシチン=PCと言われているように、卵黄レシチンは極端にPCのみが多い栄養素です。大豆レシチンは比較的リン脂質のバランスが良いとされていますが、そのバランスも完璧ではなく、中でもホスファチジルセリン(PS)は含有率が少ないので、細胞膜強化栄養療法として確立させるためには、PSを大豆レシチンに添加することが、実はとても重要なのです。
 レシチンが不足して細胞膜の機能が衰えると、ウイルスや細菌から身を守る働きが衰え、外敵の攻撃を受けやすくなります。また酸素や栄養、老廃物などの細胞内外への受け渡しもスムーズに行われなくなり、細胞が衰え傷つき、様々な症状が発生します。バランスの良いレシチンの補完は、他の栄養素の吸収を助けるためにも、まず先に行う必要がある重要な栄養素です。

 ★ナチュラルクリニック代々木★

 

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