クリニックニュース

2024.07.10更新

 【奏】第2秘訣 音楽で癒しを(歌って演奏してリラックス)

音楽療法士による精神面での治療は、楽器を使って演奏したり歌を歌って身体を動かすなどの方法が積極的に取り入れられています。
カラオケなどを利用して自分の好きな歌を思いっきり歌うことは、ストレス発散の一つの方法といえるでしょう。
また、思いっきり大声を出せるのはカラオケならではの醍醐味でしょう。大きな声を出すことは、深く吸った息を長い時間かけて吐き出すという呼吸法になりますので、普段使わない腹筋を収縮させる運動につながります。
また、歌う時の緊張感や集中力、歌い終わった後の達成感や緩和感が脳の良い刺激となります。
そして、大きな悩みや苦悩があっても集中して歌うことにより、本来の自分の気持ちを忘れて没頭することが可能です。ひと時の間その悩みを忘れることができ、気分転換になるのです。
人間は悩みや困難なことがあると、そのことばかりに囚われてしまい、ますます気持ちが落ち込んでいく傾向にあります。そんな時には自分の好きな歌を口ずさんでみましょう。それだけでも気分転換になります。
音楽は好きだけど歌うのはちょっと…とためらう方には「演奏する」という発散方法もあります。
例えば、打楽器などの演奏はどうでしょう? 和太鼓の音などのように、腹の底に響くような力強い音の振動は、心臓の鼓動や生体のリズムと協和しエネルギーを与えるといわれています。和太鼓に限らず「演奏する」という行為は、現在の自分の状態を一時的に解放し曲を奏でることに専念できます。
一人での演奏でもいいのですが、何人かで集まって演奏するのも楽しいでしょう。
皆でリズムを取りながら、音で感情を表現し合ったり、響き合う和音を一緒に体感し、コミュニケーションを取ることが可能となります。一人で楽しむよりも数倍も満足感が達成できるでしょう。
要はカラオケでも演奏でも、自分の好きな曲や音楽を、自分自身が発することによって、一時的に現実の自分から逃避し、ストレスの解消ができるという訳です。
音楽が好きならば聴く癒しだけでなく、自分で奏でる発散方法も是非取り入れてみましょう。

ピアノ

ナチュラルクリニック代々木    ※クリニックニュース Vol.8 掲載記事

 

2024.06.20更新

グルテンとは、小麦に多く含まれるたんぱく質の一種ですが、粘り気や弾力を与える特長があります。麺類やパンの生地に含まれており、私たちが日常的に食している食べ物の中にごく普通に存在しています。
アメリカではグルテンは強い中毒性があるとして問題視されており、呼吸器障害、胃腸の不調、慢性的なイライラや頭痛、またうつ病に発展する場合もあるとしています。またグルテンは血糖値を急激に上昇させるので、血管を傷つけたり、脂肪をため込みやすい体質に招くなど、様々な症状を誘発させる危険があることが報告されています。
グルテンを慢性的に摂取していると、グルテン中の「グリアジン」という成分に過剰に反応し、腹部の膨張感や消化不良を起こしたり、腸にガスが溜まり、腸の炎症を起こすことがあります。これを「グルテン過敏症」と言いますが、重度の場合には「セリアック病」を発症し、グルテンにより小腸がダメージを受け、栄養が吸収できなくなる深刻な病に発展する恐れがあります。グルテン過敏症は無自覚症状も多く、消化に問題がなくても、肌荒れや慢性的な無気力感、慢性疲労、下痢や便秘、集中力や体力の低下、生理不順、不妊症、喘息、口内炎、関節痛など、様々な症状が起きると言われています。
乳酸菌やオリゴ糖、乳酸菌生産物質、食物繊維などを摂っても、なかなか腸の調子が良くならない場合には、グルテンによる腸の炎症を疑ってみる必要があるかもしれません。
ドイツやスイスでは、焼きたての柔らかい白いパンは「腸でだんごのようにこびりつく」と言われ、体に悪いものとされています。特に市販のパン類を主食にしている方は注意が必要です。トランス脂肪酸たっぷりの植物性油脂、ショートニング、マーガリンや糖類、イーストフードなど危険度の高い食品添加物もふんだんに使われています。
また、現在の小麦粉に使われる品種は、大量生産を目的とし、交配、異種交配、遺伝子移入が重ねられ、小麦に含まれるたんぱく質グルテンの構造が変化し、グルテン過敏症やセリアック病の発症率が多くなっていることが判明しています。
自分の体に不調を感じた時、食生活を見直し、小麦食(サンドイッチや菓子パン、ハンバーガー、ピザ、パスタ、うどん等)を主食としていた場合には、米食(玄米や発芽玄米がお勧め)に変更し、バランスの取れた和定食を基本として食養生とすることをお勧めします。

 

ナチュラルクリニック代々木     ※クリニックニュース Vol.8 掲載記事

2024.06.10更新

【何】ストレスって一体何?

現代社会は「ストレス社会」とい言われています。経済の成長が情報化社会を生みましたが、マスメディアを通じた膨大な情報が氾濫し、逆に私たちにストレスを与える結果となっているのも事実です。また昔では考えられなかったストレス…家庭や職場でコンピュータを使用することで起こる「テクノストレス」と称されるストレスも誕生しています。
では、ストレスとは一体何でしょうか? 私たちの心をゴムボールに例えて探ってみましょう。ゴムボールは外側から加わる力(刺激)によってへこみますが、通常は跳ね返す力を持っています。また空気がパンパンに詰まっていれば、少しの力ではへこみません。この外側からの刺激のことを「ストレッサー」と言いますが、回復力や対応力が備わっていれば、ゴムボールは元の状態のまま維持できるのです。ところが、跳ね返す力が弱くなっていたり、加わる力が継続的に続いたり、また予想以上に大きな力が加わった時には、元に戻せず「へこんだ状態」になってしまいます。この状態を「ストレス状態」と言い、この状態が長く続くと、受けたショックをやわらげようとして、私たちの体内では様々な変化が起こり、ひいては体に悪影響を及ぼす結果となるのです。また、ボールの種類によって生じる「へこみ方」が違うように、同じストレッサーを受けても、人によって感じるストレス度は違います。つまり、ストレスの度合いは個人差があると言えます。

<ストレスの種類>

ストレス

ストレスに耐えられる力を「ストレス耐性」と言いますが、このストレス耐性が強いか弱いかによって体に影響を及ぼす度合いが異なります。ストレス耐性が強い人は、大きなストレッサーがかかっても、それを良い刺激として捉え、柔軟に対応することができます。
反対に、ストレス耐性が弱い人は、このストレッサーを上手に処理することができずにダメージを受け、体に悪影響を及ぼす結果につながるのです。しかし、ストレス全てが私たちにとって有害なものとは限りません。適度なストレスはむしろはつらつと生きるためのエネルギー源とも言えるのです。またストレスがゼロであっても、人間の体や心は対応手段が育たずに防御機能(免疫力)が低下し、少しのストレスでも大きなダメージにつながる、つまりストレス耐性がゼロに等しくなるのです。毎日の生活に張りをもたせ、ほどよい緊張感があるからこそ、体の免疫力が活性化し、体と心のバランスを正常に保つことができるのです。
 大切なことは、自分にとってのストレスが何かということを具体的に自覚し、うまくストレスと付き合うようにすることです。そして自分に合ったストレス発散手段を見つけ出すことが「自分で自分をストレスから守る」最善の手段となるのです。

【聴】第1秘訣 音楽で癒しを(聴いてリラックス)

BGMという言葉があるように、私たちの日常には 様々な音楽が流れています。私たちの生活には音楽は欠くことのできないものですが、癒しの音楽とはどういうものでしょうか。実は、音楽には人間の精神を安定させる周波数があります。人間の生体リズムと自然界には1/f(周波数)というゆらぎがあり、このゆらぎが脳波にα波を発生させます。脳波は精神状態によっても異なりますが、1/fのゆらぎがある音楽が脳にα波を出し、リラックスした気持ちにさせる効果があります。

【脳波の種類】 δ(デルタ)波……熟睡している時の脳波
        θ(シータ)波……浅い眠りの時(うたた寝)の脳波
        α(アルファ)波…リラックスしている時の脳波
        γ(ガンマ)波……怒りや興奮している時の脳波

【1/fゆらぎの波長】心臓の鼓動、川や渓流のせせらぎ、入江のさざ波、風の音や雨の音、虫の鳴き声、クラッシック音楽等…

1/fの波長を活用した「癒し系専門の音楽」も数多く出回っています。選び方の基準として、今の自分の心境と同調できる音楽を選ぶこと、そして聴きたい曲を見つけ、聴きたい時に聴くことが大切です。
但し自分の感情によっては、癒し系の音楽よりも激しいテンポ、軽快なリズムの音楽がストレス発散に繋がるという場合もあります。例えば、落ち込んでいる時は悲しい音楽から次第に楽しい音楽、陽気な音楽に変えていく、逆に興奮している時には、アップテンポでにぎやかな音楽から、段々とスローテンポの穏やかな音楽に変えるというのも一つの方法です。他にも過去の思い出に強く結びついた音楽を聴くというのも癒しに有効です。心が気持ちいいと感じる曲、また自分の気持ちが音楽と一体化して表に出せるような曲を見つけ出し、貴方だけの特別なBGMを作ってみましょう。

音符

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.7 掲載記事

2024.05.20更新

眠りには「脳と体を休め、疲労を回復させる」という大切な働きがあります。人生の約1/3は眠りの中であるように、私たち人間にとって「ぐっすり眠る」ことは、健康を維持していくために大切なことです。ただし眠れないからといって、安易に睡眠薬を使ってしまうと、薬の副作用や依存から抜けられなくなり、結果的に安眠できない体質となってしまいます。眠り上手になるための、自然な方法を紹介します。

★起床時に朝の光を★
睡眠ホルモン「メラトニン」は、日光の影響を受けやすいホルモンです。朝の光を浴びてから14~15時間で休息モードに切り替わり、眠りを促進するホルモン(メラトニン)が分泌されます。体内リズムを整え、メラトニンを促進するために、起きたらカーテンを開けて朝の光を浴びましょう。

★夜型から朝型に変える★
睡眠は量よりも質が大切です。就寝時間が遅いと必然的に起床時間も遅くなり、生体バランスを崩しやすい状態になります。午後10時から2時の間をゴールデンタイムと言いますが、この時間帯は成長ホルモンが活発になる時刻です。人間は太陽が昇ると同時に活動を始め、沈む頃には休息するという習性が培われています。夜型の人は朝型に変えていきましょう。まずは朝30分早く起きて、その夜は30分早く寝る、次の日も同じように更に30分早く起きて30分早く寝る…これを繰り返すことにより、生活リズムを理想に近づけ、朝型に変えることができます。

★入浴を眠りのスイッチにする★
眠気は体温のリズムと深い関係があり、体温が上昇する間は眠気が生じにくく、下降する間は眠気が生じやすくなります。この体温リズムを利用して、入眠サインとし、入浴でコントロールしましょう。入浴すると体温が上昇し、やがて穏やかに下がり始めるので、眠気が生じるきっかけとなります。ただし、熱いお風呂は逆効果!交感神経が刺激されて眠気が遠ざかる覚醒作用があります。心身をリラックスさせるために、ぬるめのお風呂にゆったりとした気持ちで入り、毎日の入眠スイッチにしましょう。また寒い夜は足湯を取り入れたり、足元に湯たんぽやカイロを置くのも効果があります。「頭寒足熱」という言葉があるように、足元を温めると心身がリラックスして眠りを誘います。

★単調な音楽を就寝時のテーマソングに★
波の音や雨音等、自然を取り入れた音を中心とした音楽は、単調なので眠りを誘う効果があります。1時間位でスイッチが自動的に切れるようにして、毎晩同じ音楽を流し、眠りのテーマソングにするのも方法です。またボリュームは最小限に絞り、微かに聞こえる位の音量が効果的です。ラジオやテレビを視聴するのは注意を引かれてしまい、逆効果です。

★好きな香りを眠るサインに★
香りにも眠気を誘う効果があります。ストレスや不安で気持ちが高ぶり高揚している時には、香りが持つ鎮静作用で眠りやすい状態を作りましょう。眠りを誘う香りとして、一般的なものは、ラベンダー、カモミール、ローズ、ネロリ、イランイランなどがありますが、一番大切なことは好きな香りを選ぶことです。いくら睡眠に良いと言われている香りでも、嫌いな香りではリラックスできずに、逆にイライラして神経が高ぶってしまいます。

★視覚からも安眠を誘う★
眠気を誘うカラ―をご存知ですか?レッドやイエローなどの鮮やかな色は、視覚から脳を刺激して興奮状態に導く働きがあり、覚醒作用がある色とされています。寝室は癒しを感じさせる色、ブルーやグリーンを基調にするのがお勧めです。ブルーには体温や血圧を下げる力があり、興奮状態を落ち着かせ、精神的なストレスを和らげる効果があります。またグリーンには毛細血管を拡張し、血流の流れをスムーズに導く作用があります。入眠前には、足元をぼんやり照らす程度の照明にし、白熱灯などの間接照明を利用しましょう。蛍光灯などの鮮やかな照明は、逆に脳を覚醒するので目が冴えてしまい、逆効果です。

★気持ちを鎮める★
ストレスや興奮状態、不安感がある時は、気持ちが高ぶっていて、ベッドに入ってもなかなか寝付けなかったり、浅い眠りしか得ることができません。就寝する前に家族と楽しい時間を過ごしたり、ペットと触れ合ったりしながら、高揚している気持ちを落ち着かせましょう。眠れないからとテレビを観るのは逆効果です。脳が活発に刺激され、ますます安眠できない状態になってしまいます。就寝前はゆったりとした時間を過ごし、体と脳に眠る準備を与えましょう。またカフェインを摂ると眠りを妨げますので、午後3時以降はコーヒー、紅茶、緑茶などは控えるように努めましょう。

★サプリメントを使う★
睡眠ホルモン「メラトニン」の前駆体である「セロトニン」は、アミノ酸の一つである「トリプトファン」が材料となります。バナナやきな粉、卵黄、落花生等に多く含まれていますが、サプリメントで摂取するのも効果的です。また心身の緊張をほぐす「バレリアン」、脳をリラックスさせる「レシチン」「GABA」「サフラン」や神経のビタミンと言われる「ビタミンB12」なども良いでしょう。

★時には開き直りも大事★
なかなか眠れず「眠らなくては」と焦りの気持ちがあるとプレッシャーがかかり、ますます眠れない状態に陥ります。「羊が一匹、羊が二匹…」と羊の数を数えると眠れるという話は有名ですが、「眠らなければ…」と焦る気持ちを、羊の数を数えることで紛らわす…つまり忘れさせていると考えられます。「そのうち眠れるだろう」と自分に言い聞かせ、心を落ち着かせましょう。「一睡もできなかった」という人でも、実際は眠っている場合も多いものです。何日も一睡もしないで生活できる人間はいません。どうしても眠れない時には開き直りも大切です。

 

ナチュラルクリニック代々木   ※クリニックニュース Vol.6 掲載記事

 

 

2024.05.10更新

<歯の構造を見れば、自ずと食べるべきものが見えてくる>

歯の構造には3種類あります。

・臼歯………………………穀物や豆類の歯。「臼」のような形の歯は、植物や穀物・魚肉をすりつぶすのに適している。

・門歯(切り歯)………野菜用の歯。薄くて四角い歯は、植物や果実、海藻を噛み切るのに適している。

・犬歯………………………肉食用の歯。尖った三角の歯は、肉を噛みちぎるのに適している。

例えば草食動物の牛は全て臼歯なので穀物しか食べないのに対し、肉食動物のライオンは全て犬歯なので肉しか食しません。歯の構造は動物にとって、その歯に適したも
のを食べるように、元々備わっているのでしょう。
 さて、人間の歯の内訳は
    臼歯 → 20本 (⑤)
    門歯 → 28本 (②)
    犬歯 → 24本 (①)
であり、その対比は5:2:1となります。要は肉や魚を「1」食べるとしたら、その2倍の野菜と5倍の穀物を食すのが理想的な食事のあり方だということになります。
また、日本人は元々農耕民族ですので、欧米人の狩猟民族に比べると腸の長さが長いと言われています。日本人の身体は穀類の炭水化物を消化する機能に大変優れている反面、肉類や乳製品の消化には慣れていないため、取り過ぎると腸内環境が悪くなり、生活習慣病を発症する傾向が挙げられます。消化吸収の良い食材を中心に摂ることによって、大腸の負担も軽くなり、便秘知らずの腸となって、免疫力や基礎代謝力、体温が上がり、健康的な毎日を過ごせるようになります。
                
ナチュラルクリニック代々木では、栄養価の観点から主食は発芽玄米食を推奨しています。玄米を発芽させたものを用いますが、食べにくいようでしたら、白米と混ぜて炊くことをお勧めしています。

 

<理想の食卓は「一汁三菜」の和定食>

「一汁三菜」とは「ご飯」と「汁」と「香の物」に、いくつかの「菜」が添えられるという組み合わせです。米を炊いた「ご飯」。昆布や鰹節などでとっただしを、味噌や塩などで味付けした具入りの「汁」。塩漬けやぬか漬け、粕漬けなどの「香の物」。そして焼き物や煮物や和え物などの「菜」。その4つの要素で構成されます。
現代の和定食の中心である「一汁三菜」に対して、江戸時代は「二汁五菜」がよく登場しましたが、これが昔のおもてなし料理の基本です。
一汁三菜の献立の最大の特長は、汁も香の物も菜も全てご飯を食べるために存在するという点です。
ご飯を白米ではなく、玄米食(発芽玄米や白米と混ぜても良い)にすることで、米自体がもつ栄養価を丸ごと摂取できる利点があります。性別や年齢に応じて、ご飯の量でカロリーを調整するのが和食の基本的な食べ方となります。
数ある日本の調理法の中で、特長的なものとして「生もの」が挙げられます。材料を生のまま切り、皿に盛り付け、調味料と薬味を添えます。刺身といえば魚介類が用いられますが、調味料と薬味の組み合わせも、魚類との相性を考えて工夫されているのが和食です。わさび、しょうが、からしなどの薬味や「つま」「けん」と言われる大根の千切り、大葉、防風、芽蓼、花紫蘇など防菌効果のあるものを添えて、見た目も美しく組み合わせます。普段の食事は「一汁三菜」。これが食養生の基本です。

理想の食事

※ 上記の場合には、焼き魚(右奥)、煮物(左奥)、小松菜のお浸し(中央)の3つの菜で構成される。向かって手前左にご飯を、手前右には汁を、その間に香の物をそれぞれ置くという決まりがある。

ナチュラルクリニック代々木    ※クリニックニュースVol.5 掲載記事

 

2024.04.10更新

<日本人は乳糖分解酵素(ラクターゼ)が85%の人に不足している>

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするのは、牛乳に含有される糖分である「乳糖」を分解する「ラクターゼ」という酵素が不足しているためで、分解できずに下痢や消化不良などを起こしている状態です。これは、赤ちゃんの時は全員が持っていた乳糖分解酵素の活性が、大人になるにつれて減少するためです。
日本人は85%、黒人は70%、白人は15%の人に不足しており、これを「乳糖不耐」と言います。
また乳糖は、本来人間が持っている骨の中のカルシウムを奪ってしまう作用が挙げられます。添加物として加工食品や薬にも使われているので、乳糖不耐が疑われる場合には注意が必要です。

 

<ミルクパラドックスの害>

牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度が一気に上昇します。一見カルシウムが増えたように感じますが実は違います。人間の持つ「ホメオスタシス」の原理より、血中のカルシウム濃度は一定(約1%)に保たれていて、上昇すれば余分なカルシウムは、尿から排出されてしまいます。牛乳を飲み、一気に血中カルシウム濃度が急上昇すれば、私たちの体は慌ててカルシウムを排出するように働きます。この時、余分なカルシウムと一緒に必要なカルシウムまで排出されてしまい、これを繰り返していくことで、カルシウムの貯蔵庫である骨がすかすかになってしまうのです。
カルシウムを補給する目的で牛乳を飲んでかえって骨が細くなってしまう現象…これがミルクパラドックスです。因みに世界で一番牛乳を多飲している国は白人社会でもあるノルウェーで、骨粗鬆症の発生率は日本の5倍です。カルシウムを摂るならば、牛乳(1倍に対して)よりも煮干し(14倍)、わかめ(8倍)、昆布(7倍)、小松菜(5倍)、かぶ(2倍)から摂るべきでしょう。吸収もゆっくりなので、血中カルシウム濃度を一気に上げる心配もありません。

 

<カゼインが腸内でカゾモルフィンという麻薬様物質に変化>

牛乳のタンパク質の80%を占めるカゼインは、母乳のタンパク質であるアルブミンと違い、粗く粘り気があるため、腸から吸収されにくい性質を持っています。
そのため未消化のまま血中に入り、脳に到達して脳内の受容体であるレセプターと結合すると「カゾモルフィン」という麻薬様物質に変化します。
これが原因物質となり、うつ、適応障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガ―症候群、ADHD、統合失調症などの精神疾患が引き起こされるケースが世界中で報告されています。
フロリダ大学、オスロー大学、サンダーランド大学では精神症状のある患者に「カゼイン・グルテン除去食」を用いた食事療法を行いました。
その結果は統合失調症、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガ―症候群、ADHD、言語発達障害、学習能力障害の患者の40%~81%が、有意または完全に改善したという報告をしています。
またアメリカのクルック博士は治療の経験から、子供の説明のつかない疲労や、やる気のなさ、頭痛、腹痛などの全身症状、無関心などが牛乳をはじめとする食物アレルギーによるものだと考えています。アメリカの酪農組合でも6歳未満の子供に対して、牛乳の摂取は控えるように忠告を開始しました。

ミルク

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.4 掲載記事

2024.03.10更新

トリプトファン

3-3

精神安定に必要なセロトニンの前駆体である「トリプトファン」は、「かしこいな」に多く含まれています。かつお、しいたけ、こんぶ、いりこは、まさに日本の「お出汁」。出汁のきいた和食は、先祖代々日本人の精神状態を守ってきたのでしょう。またセロトニンはメラトニンの分泌を促し、体内時計を調整します。
「なんだかよく眠れない」「ぐっすり眠れない」そんな時は、安易に睡眠薬などに頼らずに、まずは食生活を見直してみましょう。

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.3 掲載記事

2024.02.10更新

まごわやさしい

「まごは(わ)やさしい」は日本伝統の「和食」のメリットを、栄養学的に凝縮した「健康食材の詰め合わせ」のようなもの。普段の食生活の基本とすることで、栄養のバランスが摂れ、生活習慣病の予防、老化防止、免疫力のアップ、骨を丈夫にする、体調を整えるなど、様々な効果が挙げられます。ナチュラルクリニック代々木では、「まごはやさしい」を食生活の基本とし、主食を白米やパン食から発芽玄米に替えることをお勧めしています。精神疾患で来院される患者さんの多くは、インスタント食品やコンビニ弁当、スナック菓子、菓子パンなどを常食としており、身体(細胞)の基礎作りに必要な栄養素が全く摂取されていない状態です。更に食品添加物や薬剤の服用により、精神的な症状のみでなく、身体の不調を訴えるケースも多く見受けられます。伝統的な日本の食生活を普段の献立に摂り入れることは、食養生の基本でもあり、体調を回復させるために、もっとも重要な療法であることを理解しておきたいものです。

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.3掲載記事

2024.01.10更新

 疲労を感じた時に、甘いお菓子を食べて、元気になった経験はありませんか? 
 なぜ甘いお菓子は、そんなに早く私たちの体を元気にしてくれるのでしょうか?
 それは「砂糖は、体内に吸収されるスピードが速い」からです。
 砂糖を使ったお菓子を食べると急激に血糖値が上がります。一時的に疲れが取れたように感じますが、体はそれに対処するために急いでインスリンを放出し、血糖値を下げようとします。インスリンを大量に分泌した結果、今度は逆に血糖値が下がりすぎてしまい低血糖となるのです。急に下がりすぎた血糖を正常値まで引き上げるために、アドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンは分解されるとアドレノクロムという覚醒剤に似た有害物質となり、これが頭痛を引き起したり、「キレやすい脳」にしてしまうのです。

砂糖の害

 また、砂糖は体液を酸性に傾けます。それを中和しようとして、体の中でカルシウムをはじめとするミネラルを奪います。しかし砂糖を日常的に摂っていると、体の組織や細胞に貯えられたカルシウムでは足りずに、骨や歯を溶かしてカルシウムを補い、体のバランスを保とうとします。その時、カルシウムの流出で結石ができやすくなる恐れもあります。こうして砂糖を体内から排出させようとして、私たちの体は様々な反応を起こし、負担がかかっていくのです。また、砂糖は消費する時にビタミンB群が必要となります。これが砂糖は別名「ビタミン泥棒」と言われている所以です。イライラやストレスなどで、もともと不足しているビタミンB群を更に消費してしまうのです。砂糖の過剰摂取は、私たちの体の大切な栄養素を消費してしまいます。また砂糖には「習慣性」と「増加欲求性」があります。「習慣性」というのは、砂糖を含んだ物を食べると、次から次へと甘い物が欲しくなることです。「増加欲求性」というのは、甘さに慣れてくると、更に甘みの強い物が欲しくなることです。

 では、一日にどの位の摂取を目標にしたら良いでしょうか。
 ナチュラルクリニック代々木では、治療目的として、嗜好品の砂糖の摂取量は1日6グラムを基準としています。

砂糖の量

 例えば、おやつにチョコレートを1/2枚食べてしまったら、4日間(4日×6g=24g)は嗜好品の摂取を控えるように努めたり、ビタミンやミネラルの摂取をいつもより多く摂るように心掛けるなど、調整をする気持ちが大切です。また普段の料理でも白砂糖を控えて、メープルシロップやハチミツ、オリゴ糖、黒砂糖、てんさい糖など、自然に近い調味料を利用しましょう。「甘い物を食べたい」という気持ちと、私たちの身体の細胞が「食べたい物」とは違うということ…細胞が喜ぶ食生活を心掛けることが、健康を維持し病気を遠ざける秘訣となるでしょう。

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.2掲載記事 

 

2023.12.25更新

ナチュラルクリニック代々木 年末年始休暇のお知らせです。


2023年12月29日(金)から2024年1月4日(木)まで年末年始休暇とさせていただきます。

皆様にはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。

サプリメントのご注文は、2022年12月28日(木)12時までにお願い致します。
12時以降のご注文は、2024年1月5日(金)の配送手続きとなります。

 

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