野菜を食べれば、栄養の補完は大丈夫!と安心してませんか?
実は、栄養豊富な野菜を食べても、殆どの栄養素を吸収していない可能性があります。
しかも間違った調理法で、大事な栄養素を捨てているなんて事もあります。
せっかく野菜を食べるのなら、美味しく沢山の栄養素を身体に摂り込みたいものです。
調理法を少し変えるだけで簡単に出来る方法を、幾つかご紹介したいと思います。
PartⅠ. 人参
人参は、緑黄色野菜の中でも特にβカロテンが豊富で抗酸化作用があり、活性酸素を除去してくれます。
植物性のβカロテンは、体内でビタミンAに変換され、皮膚の粘膜を正常に保ち、免疫力の向上や視力にも良いと言われています。
更に根菜の特徴とも言える食物繊維を豊富に含み、水溶性のペクチンにより便秘にも効果的です。
また、人参の葉には根の部分には含まれないミネラル、特にカリウムやカルシウムが豊富に含まれ、ビタミンⅭもタップリ含んでいます。
葉付きの人参を見つけたら、葉も一緒に食べましょう。
~ 人参を効率よく摂取するには ~
人参は外側に近い程、栄養価が高い為、調理の時はなるべく皮を薄く剥くか、無農薬の人参であれば皮は剥かずに食べるのが理想的です。
また、人参に含まれるβカロテンは、油と一緒に摂取すると、生で食べるよりも倍近いβカロテンを体内に吸収する事が出来ます。
もし、サラダや生ジュースで生の状態で人参を食べると、人参自身の強い酵素の影響で人参のビタミンⅭを破壊してしまいます。
生で摂る時は、お酢や柑橘類(レモン)を一緒に入れて酵素の働きを抑えると良いでしょう。
ニンジンのおススメ摂取方法は、・油で炒める⇒・茹でたり温野菜にして良質なオイルを掛ける⇒サラダやジュースにする時はレモンを入れたりお酢入りのドレッシングを使う。がお勧めの順番です。
~ 人参の選び方 ~
● 見た目をチェック
丸みがあり、全体的に太く艶の良い物がお勧めで、先が細い物は避けましょう。表面に凸凹があったり荒れている物は、甘みも少なく味も落ちます。また色が濃いもの程βカロテンを豊富に含んでいます。
● 葉付きのものは摂れたての証
葉が付いているものは、とれたての証です。しかし、葉が付いたままにしておくと、葉に栄養がどんどん奪われてしまう為、購入したらすぐに葉を切り落とし、別々に補完しましょう。
● 葉が付いていた断面をチェック
葉を落とした断面が小さい物は芯の部分も細く、繊維質も少なく柔らかいです。一方断面が大きいものは、葉が付いていた状態が長く葉に栄養を取られてしまっている為、味も落ち栄養価も少なくなります。更に断面が黒くなっている物は、古い物なので止めましょう。
PartⅡ. ブロッコリー
ブロッコリーは身体に良さそう。という印象を持たれる方は多いと思います。
しかし、具体的にどんな栄養素が入っていて、効果効能はどうなのかを紹介したいと思います。
ブロッコリーはタンパク質・ビタミンⅭ・ビタミンE・ビタミンK・βカロテン・葉酸と実に多くの栄養素を含んでいます。
注目すべきは、野菜の中でもブロッコリーは100gあたり4.3gのタンパク質を含んでいます。
必須アミノ酸(9種類)のバランスを示したアミノ酸スコアでも「80」と好スコアを示しています。
豆乳や大豆のアミノ酸スコアは「86」なので、ブロッコリーがいかに多くのタンパク質を含んでいるのかが分かります。
次に驚くのはビタミンⅭです。
ストレスや活性酸素により消耗の激しいビタミンⅭですが、ブロッコリーに含まれるビタミンⅭの量は100gあたり120mg。レモンが100gあたり100mgなので、レモンよりも多くのビタミンⅭを含んでいる事が分かります。
ホルモンバランスを整え、若返りのビタミンと呼ばれ、血流を促し、冷えの改善にも効果的なビタミンEにおいても、100gで1日に必要な量の1/3を摂取出来るのです。
その他のビタミンKや葉酸の1日の摂取量を100gで補えるスーパーフードです。
~ ブロッコリーを効率よく摂取するには ~
ブロッコリーには多くの栄養素が含まれていますが、茹でるなど加熱する事で栄養素が減少してしまいます。
茹でた場合、ビタミンⅭや葉酸などのビタミン類は約半分に減少します。
では、どうすればブロッコリーの栄養素を残した調理法になるのでしょうか。
ブロッコリーにはβカロテン、ビタミンAも豊富に含まれています。
先に述べた人参同様、脂溶性ビタミンは油との相性が良く、吸収率が上がります。
そこでお勧めなのが、オリーブオイル等で焼く方法です。
水溶性のビタミンの流出を抑えて、吸収性も上げる調理法となり、美味しく頂けます。
更にブロッコリーに含まれるもう一つの栄養素、スルフォラファンは第7の栄養素と呼ばれるファイトケミカルの一種で、抗酸化作用、酵素の生成の促進、デトックス効果、脂肪蓄積を制御するなどの効果が期待できる成分として注目されています。
このスルフォラファンは切って5分程おいておくだけで成分が増加します。
切ってから直ぐに調理するのではなく、暫く放置しておき、フライパンで調理することが理想的な調理法といえるでしょう。
~ ブロッコリーの選び方 ~
● 見た目をチェック
触った時、蕾の部分が小さくギュッとしまっているもので、花が咲いていないものを選びましょう。
色は緑の色が濃いものがお勧めです。
全体的に柔らかく、蕾が詰まっていないも、色が黄色味の強いものは鮮度が落ちている可能性があるので避けましょう。
●切り口を確認
新鮮なものは切り口が固く水々しいのですが、古い物は乾燥していて色も薄い感じがします。
更に茎に空洞が出来ている物も、避けた方が良いでしょう。
● 大きさ
小さい物は、完全に成長しきっていない可能性があります。
甘みが少ないなどの可能性があるので、大きい物で蕾の詰まったものを選びましょう・
PartⅢ. 白菜
冬には鍋料理などで大活躍する白菜。色も薄くて栄養価も少ないイメージですが、実は食物繊維やカリウムを豊富に含んでいます。
カリウムは体内のナトリウムを調整し、余分な水分を体外へ排出してくれます。
その為、浮腫みの改善や予防が期待できるのです。
白菜は外側と内側では色も食感も違います。
栄養素に違いがあるのでしょうか?白菜は大きく分けて3つの部位に分かれています。
外側の色の濃い葉の部分‥抗酸化作用や美容に効果的なビタミンⅭ
中心部分‥水分調整を行うカリウムなどミネラルが豊富
芯の部分‥疲労回復効果とうま味成分のグルタミン酸、精神安定作用のあるGABAが豊富
~ 白菜を効率よく摂取するには ~
白菜は収穫した後も成長をしています。
特に芯の中心部分は「生長点」と呼ばれ、成長の為に外側の葉から養分をどんどん吸収していきます。
その為、外側から食べると栄養の抜けた美味しくない部分を食べる事に。
白菜を食べる時には、芯の部分中心をくり抜いて食べる様にしましょう。
特にお勧めの食べ方は、芯の部分は塩揉みして浅漬けにしましょう。
塩揉みする事で細胞が壊れ、酵素の働きが活発になり1時間程放置する事でGABAなどの栄養素も増加してくれます。
中心部分に多く含まれているカリウムや、外側のビタミンⅭは水溶性で水に流出し易い為、白菜蒸しやスープ、鍋料理などの、汁も一緒に摂れる料理がお勧めです。
長時間の加熱は栄養素を破壊してしまうので、鍋などに入れる時は、白菜は最後に入れると良いでしょう。
変わったところでは、新鮮な白菜はそのままザクザク切ってサラダにして生で食べるのもお勧めです。
ビタミンやミネラルを損なわず、サッパリ食べられます。お鍋に飽きた時のアレンジに使ってみましょう。
~ 白菜の選び方 ~
● 見た目をチェック
カットして時間が経過している物は、真ん中の芯の部分が盛り上がっているので、断面が平らな物を選びましょう。
● 重さ
白菜の殆どは水分です。美味しい白菜は重量感があり、葉がみずみずしいのが特徴です。
● 葉
ビタミンCを多く含む外葉は緑で色の綺麗な物が良いでしょう。
更に、葉先が綺麗に巻き付いて隙間なく詰まっている物がお勧めです。
毎日食べる野菜は身近な食材ですが、取り扱いを少し知っておくだけで同じ野菜でも美味しく、しかも栄養を逃さずに食べる事が出来ます。
正しい野菜の調理法を知って、毎日の食卓に活用しましょう。